片桐清美1飛曹が飛行服の背中に辞世の句を書き付けていたという話――
山岡荘八さんは手記に、『
飛行服の裏に「三途の橋でおけさ踊らん」などと書付けている彼だった』と書き、 戦友の小城久作兵曹は神坂さんの本の回想の中で『
「俺が死んだら三途の川原で 鬼を集めておけさ踊らん」と飛行服の背中に白ペンキで辞世を書いている猛者でした』と言っています。
→「ピカピカの飛行グツ」[LINK]
昭和37年8月9日の朝日新聞に掲載された山岡さんの「最後の従軍 破れた飛行グツ」という手記に、「片桐一飛曹のうしろ姿」という写真があります。
この写真がその辞世の句の実際のものです。正しくは飛行服ではなく救命胴衣の背中です。
(記事はAさんにいただいたものです)
文字の特徴から、片桐兵曹自身が書き付けたものと思われます。
一行目は「神雷櫻花」と読めます。
最終行も「片桐一飛曹」。
一番下には横書きで右から「岡村一家」と書いてあります。(神雷部隊の司令が岡村基春大佐)
2行にわたって書かれている下の句が、おそらく山岡さんが書かれている「三途の橋でおけさ踊らん」。
問題は上の句です。
写真と見比べても、小城兵曹が回想している文句とは合いません。おそらく、小城兵曹の回想は「こういう意味のことが書いてあった」というもの。
実際、何が書いてあるのだろう・・・・とずっと疑問だったのですが、このたび、協力してくださる方がいて、やっとわかりました。
(協力してくださった方の話では、写真が不鮮明で、「三途の橋」の「の」の部分が「代」に見えるみたい・・・・ということだったのですが、山岡さんの手記と 前後の文脈から「三途の橋」と書いてあるんだろうなと思います)
片桐兵曹の辞世です。
旅立ちに
米鬼百万共連れに
三途の橋で
おけさ踊らん
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