安部正治「忘れざる熱血零戦隊」
丙16期? 飛練32期。
19年3月から厚木航空隊(のち203空戦闘303)。
『指揮所に行って黒板を見ると、「安部」と書きだされた名前の上方に大きく赤の×印がはいっていた。さっそく、西沢飛曹長がこわい目つきで寄ってくる。
「なんだおまえは、クルクルと何をしとった!」
「ハイ、操縦桿が動かなくなりました」
「なにいッ」』
戦闘303は厚木から北海道、北千島幌筵に移動。
その幌筵での空戦訓練中のひとコマ。安部飛長は格闘戦の訓練中、操縦索が電纜にからみつき、操縦不能に陥り、クルクルと高度を下げながら落ちていき、落下傘降下を覚悟したところで回復、やっとこさ着陸してみたら・・・・↑↑↑(゜_゜;)
一歩間違えれば命に関わる飛行中のトラブル・・・・
安部さん、落下傘降下まで覚悟しています。こわかったろうなあ、と思います。
さらに、地上に降りてきたらだめ押しでこわい目つきで寄ってくる人がいたんです(>_<)
おしっこちびりそうなぐらいこわい情景ですが。
・・・・ですが、西澤さんにこわい目で迫られる安部さんがなんか、すごく羨ましいんですけど・・・・
恐怖体験をした安部さんには申し訳ないですが、このシーンの西澤さん、常に部下目線のママにとっては最も憧れる西澤さんの様子のひとつです。
西澤さん、いろんな方の手記に登場しますが、「西澤さんに指導された(T_T)」という部下目線で西澤さんのことを書いた手記って意外と少ないんですよねー。
本当に安部さんが羨ましい・・・・
「指導された=心配してもらった」
その後、安部さんは盲腸炎の手術をして入室(入院)します。
文脈からは、北千島から引揚げてきて、北海道美幌での訓練中のことらしいです(19年8月後半から9月初め頃)。
『腹の傷口がうんでまだ治りきらない私が、通路を歩いていると、西沢飛曹長が声をかけてきた。
「オイ、南方へ進出するぞ、もう乗れるか・・・・」
私は自分の傷口のことをよく知っているので、思わずピントの狂った返事をしてしまった。
「ハア? ダグラス(輸送機)でですか!」
「なにいうとるか、きさま戦闘機乗りじゃないのか!」
飛曹長は病後の私に気合いを入れるつもりか、こういって立ち去っていったが、その飛曹長の眼光にはいつもながら、二十ミリ弾を撃ちこむような迫力があった』
またしてもとっても羨ましいシーン・・・・
一日中ゴロゴロしてテレビやネットばかりしているママにも、
「なにをしとるか、きさま専業主婦じゃないのか!」
と二十ミリ眼光弾を撃ち込んでほしいのだ。
冗談はさておき・・・・
西澤さんの最期を思うと、この時の西澤さんのセリフ、泣けてきます・・・・。
「きさま、戦闘機乗りじゃないのか!」・・・・
本田稔ほか『私はラバウルの撃墜王だった』光人社に収録
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